テレビ会議 TV conference 2003 9 10

 テレビ会議というと、本社と営業所でのテレビ会議を連想するでしょうか。
しかし、それは、固定観念です。
また、そういう人は、時代に、
いつの間にか、追い越されてしまったことに気づいていないのです。

 今から、5年ぐらい前でしょうか。
IT技術者から、こんな話を聞きました。
 在宅の障害者が、足が不自由なので、外出できなくて、困っていました。
いつも、家族に頼むのは、申し訳ないと考えてました。
 しかし、町の保健センターに行って、
同じ障害を持つ人と話がしたいし、
理学療法士から、リハビリテーションの指導も受けたいと思っていました。
だから、毎日、町の保健センターに行きたかったのです。
理学療法士も心配していましたが、
多くの障害者をかかえて、出張することもできませんでした。
 そこで、IT技術者は、障害者の自宅に、
テレビ会議システムを設置することになったのです。
そして、町の保健センターにも、テレビ会議システムを設置しました。
 これで、テレビ会議を通じて、
在宅の障害者と、町の保健センターは、毎日、コミュニケーションが取れようになりました。
また、理学療法士が、在宅の障害者の身体状況を、
毎日、知ることができるようになりました。
 これは、今から、5年以上も前に聞いた話です。
当時は、ブロードバンドというものがなくて、
ISDNというもので、テレビ会議を行ったそうです。
 しかし、テレビ会議のお陰で、
在宅の障害者は、家族が驚くほど、元気になりました。
 障害者福祉を考えてみると、
今の行政は、自己満足の世界に入っています。
 たとえば、障害者が、どんな福祉サービスがあるのか知りたくなり、
なんとか、本屋に行っても、
どんな福祉サービスがあるかを紹介する本はありません。
たいていあるのは、福祉行政の担当者が読む本ばかりです。
 本屋で、本を見れば、わかることですが、
福祉行政中心の福祉で、
障害者中心の福祉ではありません。
 福祉サービスは、行政が決めるのであって、
障害者は、勝手に決めてはダメだ。
そんな感じがします。
 しかし、障害者は、どんな福祉サービスがあるかを、自力で知りたいし、
また、自分で選びたいのです。
福祉行政の担当者には、聞きにくいものです。
しかし、行政は、その情報を提供しないのです。
 株式投資の世界には、
どんなサービスがあって、
どういう長所や欠点があるか、
雑誌や本で、たくさん紹介されています。
 こうして、投資家は、よりよいサービスを自分で選びますし、
サービス提供者は、サービス向上に努力します。
 福祉業界は遅れた業界です。
なぜ、こんなに遅れてしまったのでしょうか。
 それは、福祉行政というものが、自己満足の世界に入ってしまったのです。
また、福祉というものが、神学論争の世界に入ってしまったのです。
 障害者が本屋には行けないと考えているようですが、
障害者でも、本屋には行きます。